コラム

営業会議の会話の質を高める~ 数字につなげるための会話の中身とは? ~

営業会議に対する負担感

「うちの営業会議は時間が長くて...」といった不満の声をよく耳にする。営業会議に同席させていただくこともある。メリハリが効いていて中身の濃い会議もあれば、退屈な時間が過ぎていく会議もある。
しかし、どのような会議でも会話の中身をじっくりみてみると、いろいろなことがわかるものだ。

今回のレポートでは、会話の中身について考えを深めることで、会話の質を向上していくヒントを紹介したい。

時間をかけるべき意味のある会話とは?

例えば、次のようなケースについて考えてみよう。ある製品を販売する営業所の月例会議での一場面である。

営業所長、企画課長、そして5つの課の課長の計7名が出席しており、企画課長が進行役である。

進行役: 「それでは続いて、第2課長」
第2課長:「はい。資料にありますように、先月は前年比72%、目標達成率84%という結果でした。昨年の今頃は消費税率アップの駆け込みもありましたの で、先月と同様に前年比が低くなっています。落ち込みの原因としては、休日の悪天候の影響もあって来客数が伸びず、新製品Aの売れ行きも思わしくなかった ことがあります。今月は、製品Bがリニューアルするので、その訴求に最大限力を注いで、何とか目標を達成、先月分を少しでも取り返したいと思います。」
進行役: 「どなたか、質問などはありませんか?」
参加者: 「・・・・・・・・・」(皆頭を下げて資料を見ている)
進行役: 「第4課長、何かないですか?」
第4課長:「えっ!ええ特にありません」
営業所長:「では私から・・・・」

この会話で、時間をかけるべき意味のある会話はどれだけあるだろうか?
残念ながらほとんど意味がないと言わざるを得ない。このような会話に終始していることは少ないと思うが、このような時間帯があるとすれば改善の余地があるだろう。
それでは意味のある会話とは、どのような会話なのだろうか?

何らかのアクションに繋がってこそ意味がある

意 味のある会話とは、次のアクションに繋がる会話である。つまり、「このようなことをすれば、このくらい効果が出せそうだ」という収穫が、その営業会議を実 施したことによる価値である。皆で結果を出した人を称え合い、競争意識を高めることも大切かも知れないが、それは少ない時間で済ませるべきだ。
それではなぜ、先ほどのような会話では次のアクションに繋がらないのか? それは結果や状況の説明に終始しているからだ。次の図に望ましい会話の要素を紹介している。
大きく「これまで(=過去)」と「これから(=未来)」の2つで構成されている。

【図表】営業会議における望ましい会話の要素

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「これまで」のところで最も大切なのは「わかったこと」であり、次のアクションに繋がる「手がかり」である。お客さまが求めていることがわかると販 促の内容に反映できるし、お客様の行動がわかれば販促物を仕掛ける場所が見えてくる。「結果」と「狙いとアクション」については、「手がかり」に関連する ことのみ言及すればよい。「結果」のところでは結果全てに触れたくなるものだが、たいていの場合は資料に載っている。資料の特にどこを見てほしいのかを伝 えるだけでよいのである。
「これから」については、次の会議で振り返るべき「狙いとアクション」を明確に示すことに加えて、「この先の展開」に触れることも重要である。営業成績が 安定している人ほど、先々の仕込みを行っているものだ。特に営業部隊の管理職には、部下に先々のイメージを示し、必要な準備を進めてもらうことが求められ る。

アクションに繋がる手がかりを皆で共有してこそ集まる意味がある

先 ほどの例では、他の人のやり取りに無関心である様子も見られた。これでは、皆が一同に介して話し合う意味がない。「何かないですか?」と言った曖昧な投げ かけでは具体的な話が出てこないし、場は活性化しない。進行役は「似たような傾向はありませんか?」「何か工夫していませんか?」と具体的に質問する必要 がある。

会議の質を高めるための最初の一歩とは?

気 づいているかも知れないが、何らかの狙いをもったアクションを実行していなければ、手がかりは出てこない。会議は一連のプロセスの中にある。作戦と計画を 立てて、実行して、振り返るというPDCAサイクルが業務プロセスとして根づいている場合は会話の質が上がるが、そうでない場合は質が下がる。
つまり、本質的には業務プロセスに手を当てる必要があるのだが、営業会議で話し合うべき会話の中身について共通認識を持つことも重要である。まずは小さな一歩から始めてみてはいかがだろうか?

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●大國仁(おおくに・じん)

東京工業大学大学院修了後、三菱自動車工業でマーケティング戦略策定や新型車の立ち上げに関わる。戦略系コンサルティング会社のジェミニ・コンサルティング (現Pwcストラテジー)などを経て、2002年11月ジェネックスパートナーズの設立に参画。大手サービス業や自動車メーカーなどに対して、シックスシ グマ・ウェイを活用した全社変革支援を経験して独立。学生時代はファミリーレストランで5年間アルバイトとして働いた経験があり、業績の良い店舗と悪い店 舗を運営する店長の違いについての実体験をもってサービス業を支援している。

●株式会社ACWパートナーズ
企業の永続的な成長を、パートナーとして支援する経営コンサルティング会社。
社員の方々が自律的に動き、組織として成功体験を積みながら、自社独自のウェイを強めていくための各種サービスを提供する。
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